MUSCATプロジェクト

ごあいさつ・メッセージ

医療人キャリアセンターMUSCAT センター長

岡山大学病院 ダイバーシティ推進センター 教授

片岡 仁美

平成22年度より女性医療人の支援と男女共同参画の実現を目指した「MUSCATプロジェクト」が始動することになりました。MUSCATプロジェクトは、平成19年度文部科学省社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム(医療人GP)に採択された「女性を生かすキャリア支援計画」を前身としています。

今回、岡山県からの委託事業(「岡山県女性医師キャリアセンター事業」)として平成22-25年の期間の資金援助を頂き活動を継続、発展させていくことになりました。医療人GPでの3年間の活動を支えて頂いた皆さま、また新たな活動に向けて御尽力頂いた関係の皆さまに厚く御礼申し上げます。

「女性を生かすキャリア支援計画」では、①先輩から後輩へ知識と経験を伝えるネットワーク形成による離職防止、②個々にニーズに合わせた柔軟な働き方を可能とした復職支援、③男女共同参画を目指したサポータークラブ、④病児保育ルームの設立を中心とした次世代育成支援など、多彩な取組を行いました。さらに、岡山県、岡山県医師会女医部会、岡山県病院協会などとも連携した活動を展開することができました。その結果、3年間で42名の女性医師が復職し、岡山県男女共同参画社会づくり表彰の事業者の部を授賞するなど社会的にも高い評価を頂きました。

小さな種から始まった本取組が、皆さまの手によって成長することができたことは、担当者として望外の喜びです。次なる成長のステージに入った本取組が真に医療人を支え、地域医療に貢献できる取組として実を結ぶことができるよう、今後とも尚一層の御理解と御支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。


医療人キャリアセンターMUSCAT 副センター長


医療人キャリアセンターMUSCAT 新見地区担当

医療法人思誠会 渡辺病院/岡山大学 非常勤講師/新見公立大学 非常勤講師

溝尾 妙子

平成26年度よりキャリアセンターMUSCATのスタッフに着任いたしました。私は主に新見地区を担当し、女性のキャリア支援や復職支援はもちろん、地域医療に従事する人材の育成にも積極的に努めていきたいと思います。具体的には、新見公立大学を基点に新見市や新見地区の医療機関と連携しながら、中山間地域での医療教育の充実を図るとともに、その地域で働く医療従事者がよりやりがいを持って働きやすい環境を整備していきたいと考えています。

私自身が最近妊娠・出産を経験し育児に奮闘する中で、仕事と両立において実際に経験して初めて直面する問題が多々あり、キャリアセンターMUSCATからもサポートしていただきました。ライフプランやキャリアプランに対する考え方は多様であり、また仕事と家庭との両立においては、置かれた環境や支援体制によって一人ひとり状況が異なります。個人個人のニーズに応じた最良の方法を一緒に考えていければと思います。皆様今後とも何卒よろしくお願いいたします。


医療人キャリアセンターMUSCAT 教育企画担当

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 総合内科学  講師

小比賀 美香子


医療人キャリアセンターMUSCAT 次世代育成支援担当

岡山大学病院 ダイバーシティ推進センター 助教

藤井 智香子


応援メッセージ

国立大学法人 岡山大学 学長

槇野 博史

岡山大学は、その理念・目的の下、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献する活動に取り組み、持続可能な社会の実現を牽引しております。SDGsのゴールの一つにジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る事がかかげられています。医師の働き方改革が注目を集めている昨今ですが、先駆けて平成19年度に始まった『女性を生かすキャリア支援計画(文科省)』では、女性医師の柔軟な働き方が岡山大学病院に導入されました。

平成21年度に岡山県への委託事業となり継承された『MUSCATプロジェクト』では、着々と実績を上げ本年度までに120名以上の復職医師が利用しました。復職支援を受けた後は地域医療の現場で貢献する医師も増えています。「人を育て、支える」システムを通じて地域の医療に貢献する仕組みづくりは、持続可能な人材育成システムとして成果を出していますが、さらに5年後、10年後に一層豊かに実を結ぶでしょう。

このような活動に長い間ご理解を示していただいている岡山県に深く感謝し、今後も本事業が関係各位にご協力を賜りながら大学と地域を結ぶ活動にさらに発展できるよう祈念しております。


国立大学法人 岡山大学 理事(企画・評価・総務担当)

高橋 香代

労働人口の深刻な減少を背景に「働き方改革」が求められています。老若男女、障害の有無、国籍を問わず、それぞれのライフイベントなどに配慮しながら、働き続けることができる社会環境の実現は、大学にとっても大きな課題といえます。

岡山大学のダイバーシティ推進本部で行っている男女共同参画や次世代育成支援の取り組みを、鹿田地区では「医療人キャリアセンターMUSCAT」が協働して実践されていることは大きな意義があると思います。もともと医療施設では看護師の女性比率は高率ですが、女性医師の比率も年々増加傾向にあり、特に医学部入学者に占める女性の割合は約3割となっています。男女ともに働きやすい環境をつくるために、医療人キャリアセンターでは「プロフェッショリズム」の授業を担当し、男女共同参画やキャリア形成について男女が共に学ぶ機会を設けています。医学部1年生からの教育を通して、より良い医療人を目指して早期の意識改革を目指すことに挑戦し続けています。

この取組に対しての岡山県の継続的な御支援に対して深く感謝を申し上げるとともに、活動の輪がさらに岡山県下に大きく広がり発展するよう願っております。


国立大学法人 岡山大学 理事(医療担当)・岡山大学病院長

前田 嘉信

平成19年度より文部科学省医療人GPの採択を受け開始した「女性を生かすキャリア支援計画」は、平成22年度より岡山県からの委託事業「MUSCATプロジェクト」として継続され、今年10年目を迎えました。この支援制度により、これまでに120名以上の女性医師が復職を遂げ、最近では大学病院にとどまらず、地域の病院でも多くの女性医師が活躍しています。さらに、平成26年には新見公立大学にMUSCATサテライトオフィスを設置し、新見地区を中心として医療人支援活動(PIONEプロジェクト)を発展させております。

多職種の医療人がそれぞれの現場で活き活きと働き続けるためには、継続的なキャリア支援、生涯教育、次世代育成活動が必須であり、それらのサポートは岡山大学病院の使命と考えております。今後も岡山県をはじめ、地域の医療機関等、関係各位にご協力を賜りながら本事業がさらに発展できるよう祈念しております。


岡山県保健福祉部 保健医療統括監

則安 俊昭

岡山県の人口当たりの医師数は、全国平均を上回り、医療提供体制の面でも量・質ともに充実していますが、医師の採用が困難な地域もあります。県民の皆さんが、住み慣れたところで、医師の診察を受けることができる環境は、安全・安心に暮らしていく上で最も必要であり、住民の暮らしに寄り沿って健康を守ってくださる医師の育成・確保は、県としても重要な施策と位置づけています。

県では、平成22年度から岡山大学に女性医師キャリアセンターの運営を委託し、妊娠・出産等で離職された医師からの復職の相談や指導医のもとでの研修、先輩からの経験に基づいた助言等のサポートなど、職場復帰及び定着の支援をしていただいています。こうした全国的にも先駆的な取組(MUSCATプロジェクト)を通じて、一人でも多くの女性医師に、医師として仕事を続けていただき、併せて、御自身の人生を豊かなものにしていただきたいと願っています。