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一般財団法人津山慈風会 津山中央病院

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「津山中央病院 女性医師支援 
遅ればせながら、真摯にそして愚直に取り組んでいる」
                      津山中央病院 病院長 藤木茂篤
「女性医師の参加なくして、これからの医療は語れない」という大命題があります。
なぜならば、医師国家試験合格者の1/3を女性が占める時代に、女性医師に仕事を続けていただくことの重要性は、当院のような、地方の急性期病院でもひしひしと認識できるからです。現在106名の医師の中で13名(12%)が女性医師です。内3人の女性医師が既婚で、そのうちお一人は子育て中であります。
年間約5,000台の救急車、約30,000人の救急患者の対応をしながら、「お断りしない救急」と「最先端の医療の提供」を病院の方針としている現状で、この13名の女性医師にいかに働きやすい環境を提供できるかについて考えてみたいと思います。
問題点を大胆に整理して、次の2点に着目したい。
①ハード面では当院は女性医師が満足できる環境か?
②今後、女性医師、特に既婚女性医師、子育て中の女性医師に存分に仕事をしていただく環境とは?
ハード面において満足できる環境かという問題であるが、短時間勤務制度や病児保育制度など巷間で言われているもっともな問題点の前に、当院において真摯にかつスピーディに取り組まなくてはならないことがあります。それは、女性医師が仕事をする環境づくりに「気配りが足らなかったこと」へのアプローチであります。
たとえば、手術室やいろいろな検査室の女性専用更衣室や当直室などについて見ますと、女性看護師や女性MEなどを意識した構造にはなっています。しかし、特に女性医師の存在を意識したつくりになっていないといわざるを得ない環境が今まではありました。そこで、当院に在籍する女性医師に対して昨年より職場環境の調査を個人個人に詳細にさせていただき、環境整備の不備を痛感し真摯に反省し、その改善に向けて、愚直に、まさしく愚直に、具体的に準備を始め、迅速に実行に移しているところであります。
男女兼用であった更衣室は、男性更衣室を別に作ることにより、従来の更衣室を女性専用に特化するとともに、プライバシーを尊重した構造にしました。内視鏡室など構造上女性のみに特化できない場合は、更衣室に鍵を掛けることにより個室化を計る等実施いたしました。
また、子育て中の女性医師の就労にとって、保育所、病児保育は大きなハードルと言わねばなりません。現在病院の敷地内にあります保育所は、延長保育も午後7時までで、医師以外の病院職員に対しても決して満足のいく環境にはありません。数年前から、週数日の24時間保育を検討してまいりましたが、立地条件から手を上げてくださる業者がいないのが現状でした。この度、病院職員すべてに対してアンケート調査を行った結果、24時間保育と病児保育の必要性が大きくクローズアップされましたので、業者の範囲を広げてでも何とか24時間保育と病児保育は実現しなければとの思いを強くしているところです。
このように、ハード面での改善点は可及的迅速に、かつ愚直に取り組んでいますので、来年あたり、働きやすくなったと実感していただけるものと確信しております。
 次が充実した女性医師支援体制を構築する上で根本的な大きい問題だと考えています。
たとえば、育児休業は1年間可能ですとか、短時間の勤務形態も考慮しますとか、形の上では女性医師個人に対する環境は整えることができるようになってきています。当院でも、入院患者免除、救急免除や妊娠・育児中の当直免除をはじめ、正規の育児休業や育児中の短時間勤務体制も相談の上取得可能となってきており、実際に運用がなされていますが、問題は、その結果、すなわち上述した権利を正当に行使されたとき、他の医師(独身女性医師を含む)がどうその結果を受け入れるかであると考えます。この受け入れ体制が充分でないと、お互いが居心地悪く、続けたくても続けることができないという事態が容易に想像されます。当院でも現在525床の超急性期患者を常勤医106名で担うには過酷といわざるを得ない環境下において、ただでさえ平素の過重労働に加えて、さらに負担が増える状況になるわけです。
今、私が考えていますことは、お互いがお互いの立場を尊重しあうという風土づくりです。まわりの医師、スタッフが、この先生は育児が大変にもかかわらず少しでもたすけてくださっている、あるいは、勤務時間は少ないながら病院にとって是非必要な人材であるなどの評価の理解と共有はどうしても必要でしょうし、女性医師側も助けてくれている同僚医師やスタッフに感謝し、時間的余裕のできたときは積極的にお手伝いをするという、お互いを尊重しあう文化を創っていくことが成功の鍵と考えています。当然一朝一夕にできることではありませんが、これこそ愚直に一歩ずつ前進していかなければ、将来の子育て女性医師の充実した職場環境は絶対にできないと考えています。
この7月末より、ある科で育児中の女性医師を採用しました。お話をお伺いしますと育児を始めとして大変な毎日です。しかし、今までの彼女の実績をみますと当院には是非いてほしい人材です。これからが当院の試金石です。何とか彼女が津山中央病院に就職してよかった、そして医師を続ける自信ができたと思っていただける文化づくりに励みたいと考えています。
まず第一歩は、全職員に彼女の現状を伝え、そして彼女を病院がいかに必要としているかを発信し、全職員で共有することから始めたいと思っています。




津山中央病院 女性医師内訳
皮膚科    1人(既婚)
泌尿器科   1人
産婦人科   2人(既婚1人)
放射線科   1人
循環器科   1人(子育て)
外科     1人
後期研修医  3人
初期研修医  3人(16人中)
計      13名 (全職員中12%)


医療機関名 一般財団法人津山慈風会 津山中央病院
ふりがな岡山県津山市川崎1756
病院規模(病床数)525床
プログラム対象診療科内科
外科
整形外科
形成外科
脳神経外科
小児科
産婦人科
皮膚科
泌尿器科
眼科
耳鼻咽喉科
リハビリテーション科
放射線科
麻酔科
検診
仕事と家庭の両立に配慮した就業環境時間短縮勤務制
パートタイム制
フレックスタイム制
当直の免除
家庭の事情等による急な勤務変更へのバックアップ体制
院内保育園
育児休業・介護休業等、長期休暇取得後の原職復帰
育児休業・介護休業中の給与を保障
スムーズな臨床現場復帰に配慮した就業環境■バックアップ体制の下で行える診療行為
 外来
 検査
 手術
 検診
■生涯学習への配慮
 院内カンファレンスへの参加
 図書館の整備
 学会・研究会参加への補助
 文献検索・インターネットアクセスの整備